東日本大震災から1ヶ月

あの未曾有の大震災から一月、様変わりした日常が昼夜を問わずマスコミで報道される。被災者の数は、ようやく落ち着きつつあるが、いまだ不明者は多数に上っている。惨憺たる地では、瓦礫の撤去、インフラの復旧、燃料の供給、支援物資の配給が、多数のボランティアなどにより改善の方向にあるものの、長期戦は避けられない。また、家族を亡くし、3月11日から時間がストップしている人、高齢者で身寄りのない人、すべての財産を失くした人、仕事を奪われた人などなど、生きる意欲を失いつつある人をいかに立ち直らせるか、重い課題だ。そして、昨日11日も、震度6前後の余震が発生。これらの余震で、死傷者が出てしまい、また、停電、水道などライフラインにも影響が出ている。頻発する余震に不安は絶えない。さらには、福島原発事故。今日、政府は事故の深刻度評価を最悪のレベル7に上げた。チェルノブイリ事故と同程度という。先行き不透明で、深憂する状況にある。
 
しかし、日本中、世界中からの支援、スポーツ界、芸能界、経済界など、いろいろな分野の方々からの志の輪は、私たちに『いま、自分ができること』の範疇で支援、応援していくことの大事さを教えてくれる。「日本がんばれ」、「東北がんばれ」のエールは、私たち宮崎県人が口蹄疫、新燃岳噴火で感じた応援と同じ熱い声援であり、長い闘いへのメッセージである。そして、自然の猛威、自然の摂理を前提として、驕ることなく謙虚に自然を畏怖することから防災を考えることを示唆しているように見える。
 
いま、東北では、かけがえのない家族を失った多くの人たちがいる。痛み・悲しみは深く、言葉では慰めようがない。昨年の口蹄疫では、宮崎県で29万頭の牛豚を殺処分しなければならない悲しい経験をした。家族同様、愛情を注いだ生き物を殺さなければならない心の痛み、叫び、たくさんの涙をみた。しかし、いま、私たち三股町民は、いつものことがいつもの通りにでき、例年のことが例年通りに実施できる。
 
私たち宮崎県人は口蹄疫からの復興・再生へ努力しなければならない。また、そうすることが、大きな試練に立ち向かう東北の人々への励ましになると信じたい。「がんばろう東北」、「がんばろう日本」。

平成23年4月12日
三股町長 木佐貫辰生

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