「緊急事態宣言」(県独自)の解除は、安全宣言ではない

宮崎県独自の「緊急事態宣言」の発令から2月7日で1ヶ月となりました。この間の感染者の減少傾向を踏まえ、県は感染警戒レベルを一段下げた「感染拡大緊急警報」に切り替えました。このことは、感染が急拡大していた時期を過ぎ、現在一応落ち着いた状況からの判断です。ただし、外出自粛や、飲食店への時短営業要請は、解除するものの、県内には感染の火種が残されており、クラスターも散見され、病床使用率の現状から警戒は緩めることなく、会食制限や県外との往来自粛等は、3月7日までこれまでと同様に要請を継続することとしています。

町民の皆様には、県の「緊急事態宣言」の期間、外出自粛などご不便、ご苦労をおかけしましたが、県内の感染状況は、沈静化に向かいつつあります。本町でも、今年になって22人が感染しましたが、1月20日以降は確認されていません。感染が爆発的に拡大した1月7日を境に、皆さんが緊張感をもって慎重に行動した結果であろうと考えます。そして、公共施設等の休館や教育・保育施設等への登園自粛などにもご協力・ご理解を頂きました。心から感謝申し上げます。

また、「緊急事態宣言」の期間、外出自粛要請や会食制限などにより、飲食店をはじめとする多くの業種に影響が及びました。時短営業要請飲食店及び関連事業所については、国等から一定の協力金が支給されますが、町では協力金の支給対象の有無に拘らず一定の条件のもと独自の協力金支給を検討しています。また、町内の消費喚起策として、第三弾の町プレミアム商品券発行を予定するとともに、町商工会発行のオリジナル商品券を町の各種事業とタイアップし、消費喚起に結び付けられないか検討しているところです。

さて、私達は、ここ1年間にわたりコロナ禍の中で生活しており、新型コロナウイルスに対し「正常性バイアス」(都合の悪い情報を無視し、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと、過小評価してしまう特性のこと。) が働き、「気の緩み」が生まれないか心配しています。これまで県内では、高齢者施設、合宿、スポーツ施設、スナック、カラオケ、学校などでクラスターが発生しており、引き続き「新しい生活様式」での行動をお願いします。

ワクチン接種については、4月から高齢者や基礎疾患のある方への接種を始める予定です。町では、2月1日準備室を設置し準備作業を進めています。接種場所を町多目的スポーツセンター(役場の西側)を確保し、接種期間は、高齢者の接種に2~3ヶ月を要し、一般向けには秋まで続く長期戦となりそうです。このようなことから、接種が完了し国民の多くが抗体を持つまでには、時間を要し、季節性インフルエンザと同等の次元までいかないと収束とは言えないと考えます。当分の間は、「ウィズコロナ」であり、注意喚起しながらの行動を要請します。

特に、これからの季節は、進学、転勤、春のイベントなど人の移動や交流が盛んな時期を迎えます。これまで同様、あるいはより一層の注意喚起が必要となります。「緊急事態宣言」は解除されましたが、「コロナを正しく恐れ」、軽視することなく「新しい生活様式」での行動が重要です。このコロナ禍の中で、コロナ対策に従事して頂いている医療従事者や感染者に対し、心無い誹謗中傷があると聞きます。第一線で頑張っている皆さんや家族に対し、そして不幸にも感染してしまった人への差別・偏見は許せないことです。本町は、「文教のまち」であり、「人に優しい町」であることからこのような人はいないと信じています。コロナ禍は終わっていません。引き続きの感染拡大抑止の行動をお願いし、町長メッセージとします。

 

令和3年2月8日 三股町長 木佐貫  辰生

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