まちづくりと郷愁

東日本大震災から1年を迎えようとしています。いまだ、26万人が仮住まい。今まで住んでいた土地、風景、空気がいかに恋しいことか、その胸中を考えると心が痛みます。いつ落ち着けるのか、いつから前に進めるのか、先の見通しが立たない多くの人々。生きるには、夢、希望が欠かせません。希望が見出せるよう、具体的な灯火を。一刻も早く、ふるさとで生活再建ができるように願っています。
この大震災では、スポーツ界や芸能界、ボランティアなどの活動が、温かく心強い励ましとなりました。中でも、なでしこジャパンの活躍は、最後まであきらめない魂、心意気を日本中にもたらし、そして復旧・復興への力強い応援歌になりました。

わが町でも、先月4日、本町出身のプロボクサー湯場忠志選手が、町に勇気と元気、そして誇りをもたらしました。彼は、ライト級、スーパーライト級、ウェルター級、そして今回のミドル級王座と国内初の4階級制覇を成し遂げました。2度のあごの骨折を乗り越えて12年がかりでの偉業達成です。あのやさしい顔立ちからは、信じられない生き様。わが町初の「町民栄誉賞」です。彼の偉業は、本町の目指す「アスリートタウンの創造」への弾み、飛躍の第一歩としたいと思います。

5日は、大阪で本町出身者が年に1度集う「近畿三股会」に参加しました。ふるさとの思い出話に花が咲きました。近畿圏に居を構えはしても、年を重ねるにつれて、ふるさとへの思いは強くなりつつあるようで、年々、会への参加者が増えているように感じます。昨年は、新燃岳降灰見舞いとして、総会当日の呼びかけにもかかわらず、たくさんの義援金をいただきました。ふるさとへの心遣いに心から感謝いたします。

11日と12日の2日間、「町文化の祭典」があり、童謡祭、文化芸能祭、元気祭(生涯学習教室の発表)の三部作で町民主役の舞台が展開されました。どの舞台も、堂々たる演技、演奏、発表で、本町のマンパワーを垣間見た思いがしました。「文教のまち みまた」の面目躍如です。

3月は、若者が新しい世界へ旅立つ時。夢への実現を目指して、未来へ大きく飛翔してほしいと願います。ふるさとは、いつでも温かく君たちを見守り、応援しています。私たちは、君たちが誇れる町であるよう、一生懸命、ふるさとづくりに邁進します。
「兎追いしかの山 小鮒釣りしかの川 夢は今もめぐりて 忘れがたきふるさと」~いつまでも、自然豊かなまちとして~

平成24年3月6日
三股町長 木佐貫辰生

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