初秋から晩秋へ

秋は、行事の多い季節です。小中学校や保育園・幼稚園の運動会、自治公民館主催の敬老会、ボランティア祭り、秋祭り、スポーツイベントなど盛り沢山で、町の賑わい、活力を感じます。運動会では、児童30数人の小学校から生徒800人の中学校まで、好天に恵まれ規模は違えど元気で工夫された競技や種目を拝見しました。子供達の元気さ、一生懸命さが微笑ましく嬉しくなりました。この子たちの将来が希望に満ちた未来であるよう、私たち大人の責任を強く感じたところです。
 
10月、懸案であった㈱総合農林が所有する山林について、環境保全協定を締結しました。㈱総合農林は、鰐塚山系の3分の1、2200㏊の広大なまとまった森林を所有しており、その広さは町土の5分の1を占めます。昨年、本町の水瓶であり、長田峡という渓谷美を形成するこの山が売買対象となりました。受け皿が外国資本や投機目的の会社になったらと心配していた最中、近畿圏で産業廃棄物を取り扱う会社が株式譲渡という形で引き受けると聞き更に心配しました。今年3月の議会終了後、町議会議長と神戸の本社を訪問し、社長から今後も「林業として継続していく」とのお話を頂き、安堵したところです。そして、「環境保全に係る協定」を県の立ち会いで締結することができました。関係した皆さんに心からお礼を申し上げます。
 
本町は、文教の町と言われています。明治の初め、都城島津家の地頭として赴任した鹿児島の三島通庸公が、「開拓の大本は教育にあり」との方針を掲げ、教育尊重の気風が醸成されました。そして、生活は貧しくとも「米の倉より頭の倉」との姿勢で子弟の教育に熱心に取り組み、幾多の有為な人材を輩出しています。また、藩政時代は、島津家の支配下で薩摩藩の郷中(ごじゅう)教育を受け入れる素地があり、明治から大正、戦前の昭和にかけて、「龍雲館」や「正道館」で文武両道、質実剛健の教育が展開されました。このような伝統を次代に引き継ごうと一昨年から10月第3土曜日を教育の日と定め、「文教みまたフェスティバル」を開催しています。フェスティバルでは、児童生徒の意見発表や郷土芸能の披露とともに、郷土の歴史を振り返る演劇があり、郷土学習の機会や郷土愛に繋がることを期待しています。
 
第26回ふるさと祭りが、2日間とも小春日和の天候に恵まれ、多くの来場者で賑わいました。会場レイアウトも、本ステージ、出展ブース、ランニングバイク、人間早馬コース、食事スペースなどうまく配置され多目的広場が有効に活用されていました。元気の杜広場のミニステージは、本ステージへの登竜門として面白い企画と感心しました。同時開催の文化祭は、木工、陶芸、絵画、写真、書道など力作揃いで文化レベルの高さを感じるとともに、保育園、児童館、小・中学校、文化団体、高齢者クラブ、介護施設等の皆さんから多くの出展・協力を頂きました。すべての会場が活気に満ちており、秋の収穫祭として、手作りの祭りとして、自立と協働らしさを醸し出していると感じました。
 
「いい夫婦の日」と言われる11月22日に、町社会福祉協議会主催の金婚式祝賀会が町総合福祉センター元気の杜で開催され、16組の夫婦が参加されました。平均寿命が延びたといっても、二人揃ってこの日を迎えられることは、素晴らしいことです。人生には、3つの坂(登坂、下り坂、まさか)があると言われておりますが、どんな坂(出来事)にも夫婦で懸命に乗り越え、今の平穏があるのだろうと、皆さんの笑顔から想像したところです。益々、仲睦まじくご健勝であらんことを願います。
 
町文化会館開設10周年を記念して制作された、町民参加の舞台演劇「おはよう、わが町」が、15周年記念企画として再上演されました。劇作家で演出家の永山智行氏の指導の下、三股座の団員、公募の町民、音楽スタッフ、勝岡小学校の児童、梶山の棒踊りなど多くの皆さんを総動員した演劇です。わが町、三股を舞台にした演劇で、昭和30年代以降の二つの家庭の日常を描く作品ですが、当たり前に過ごしている日々の生活・時間に大切な意味があることを再認識させられ、心に響く作品でした。多くの来場者から感動のお言葉を頂きました。ご協力頂いた皆さんに心から感謝いたします。
 
師走が間近です。元気で新年が迎えられます様、皆さんのご健勝を祈念します。

平成28年11月29日
三股町長 木佐貫辰生

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