新緑の季節から梅雨真っ最中

熊本地震で被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。一刻も早く余震が収まり、復旧・復興が前進することを祈念します。災害はいつ起こるか予測が難しいですが、想定外は許されません。今回の地震を対岸の火事としてではなく、明日は我が身として災害に備えておかなければならないと思います。福祉避難所の収容能力、避難場所の運営リーダー、停電・断水の場合の対応、衛生管理、避難所外の実態把握、初動対応での人的、物的機動力…などなど地域防災計画を見詰め直し、再検討すべき課題が浮かび上がったのではないかと思います。阪神・淡路、中越、東日本と続いた大地震は、多くの教訓を残しています。非常時に備えるため、今出来ることを着実に実行しなければならないと思います。
 
今年も恒例の「早馬まつり」が盛大に開催されました。熊本地震の影響もあり、やむなく出演を辞退された団体もありましたが、メインの「ジャンカン馬」の踊りや4年に一度の谷地区の「太郎踊り」、舞台芸能、吹奏楽、ジュニアインリーダークラブの早馬龍雲太鼓、ミマタレンジャーの出演、また奉納行事として剣道、柔道、弓道、四半的大会など、たいへん盛り上がりました。当日は、鎮守の森に相応しく、若葉が目に沁みる好天に恵まれ、つい先日までは、桜におおわれていた境内も、すっかり初夏を感じる風情となりました。桜祭りからつつじ祭り、しゃくなげ祭りと続いた今年の「みまたん春まつり」は、早馬神社でクライマックスを迎えました。
 
オバマ米大統領の広島訪問が紙面(5/11)のトップを飾りました。大統領就任から間もない平成21年4月、「核兵器なき世界」の追求を宣言したプラハ演説から7年が経ちます。米国内では、被爆地訪問は、原爆投下を正当化してきた歴史を見直すこととなり、「謝罪外交」に繋がるとの批判が根強く、実現が困難でした。しかし、訪問を熱望する日米関係者の粘り強い長年の努力により、5月下旬の「伊勢・志摩サミット」時の訪問となりました。核廃絶への国際的機運は、昨年ニューヨークで開かれた核拡散防止条約(NPT)再検討会議の決裂やウクライナ情勢を巡る米国とロシアの対立、北朝鮮の核開発などで混迷を深めています。このような情勢の中、オバマ米大統領の被爆地・広島訪問が、「核なき世界」実現の弾みとなることを期待したいと思います。
 
5月から6月の話題は、舛添前東京都知事の公金の公私混同疑惑に尽きた気がします。結局、辞職で疑惑は解明されないままの終幕となり、割り切れない気持ちが残る結果となりました。また、世界中で注目されている話題の一つが「パナマ文書」です。タックスヘイブン(租税回避地)を利用し大企業や著名な政治家や富裕層が税金の「節税」を行っていたことを裏付けるデータ(機密文書)がパナマの法律事務所から流出したことが世界中の関心の的となっています。タックスヘイブンを利用するのは違法ではないというけれど、消費税が上がり、庶民の暮らしは厳しく、ましてやマイナンバー導入の最中、節税と称した大企業や富裕層の租税回避・税金逃れには、疑問を感じます。
 
本町ではこの時期、独自のイベントとして、みまた演劇フェスティバル「まちドラ!」と「みまたモノづくりフェア2016~つくりびとのカタチ~」を開催しました。「まちドラ!」は、90分で戯曲を書く「カクドラ!(書くドラマ)」、演劇プロと公募町民による朗読劇「ヨムドラ!(読むドラマ)」、プロの演劇を上演する「ミルドラ!(観るドラマ)」の三部からなり、公演場所は文化会館や駅舎、旧商工会館など町中(まちなか)です。「みまたモノづくりフェア」は、ものづくりに情熱を燃やす県内外の工芸家が、個性豊かでユニークな作品を展示販売する催事です。両者とも回を重ねるごとに賑わいを増しており、今年もたくさんの方々にご来場いただきました。
 梅雨明けが待ち遠しい日々です。身体が鈍らないよう健康に留意しましょう。

平成28年6月24日
三股町長 木佐貫辰生

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