新緑から夏本番へ

ことしは、梅雨明けが早く、7月の頭から猛暑が続いています。雨が降らない、降ってもお湿り程度で全てが乾燥し、蒸し暑い日の連続です。その上、7月末には、桜島の降灰で室内はザラザラ、戸外は風で灰が舞っています。ただ、夏祭りや戸外のイベントは予定通り進行することができ、主催者の皆さんは胸をなでおろしていたようです。夏の風物詩「六月灯」は、各地区とも伝統を大切にしながら工夫をこらし、地域のつながり、交流、活性化に多いに貢献したものとなりました。そして、子供たちの灯籠も祭を盛り上げていました。これからもずっと続けてほしい夏祭りです。
※六月灯~江戸時代の薩摩藩で始まった旧暦6月(現在7月)に神社などで行われる夏祭り。
 
6月から7月にかけて各地区で座談会を開催いたしました。行政の出前講座として、行政の事業、取り組みを知っていただくことと町民の声を行政に反映する手段の一つと考えています。つまり、「協働のまちづくり」の一環です。22年度からはじめ、今回が4回目となりました。今回は、8ヵ所で約230名の皆さんが参加されました。提言、要望、苦情など多くの声を頂きました。それぞれの声に真摯に向き合い、実現に努力します。詳細は、ホームページで公開します。行政を身近に、そして見える行政が目標ですので、今後とも、多くの町民の皆さまの積極的なご参加をお願いします。
 
今年の入梅、梅雨明けは、本県はどちらも例年より早く、穏やかな時期でした。しかし、7月になって全国的には、集中豪雨で各地に被害続出です。本町でも忘れられない日が昭和44年6月30日の集中豪雨です。下校中の4名の女子中学生が土砂災害で亡くなりました。毎年、中学校では「追悼集会」が行われ、災害への備えや命の尊さを学んでいます。町では、地区での防災訓練を毎年開催し、情報伝達の確認、要援護者の避難支援、防災意識の向上などに努めています。今年から2年の継続事業で、防災無線のデジタル化や防犯灯のLED化に取り組みます。大規模災害が近いと言われる今日、町民の安全・安心は行政の最重要テーマとして取り組んでいるところです。
 
「町の活性化は人の交流から」とのテーマでいろいろな取り組みがなされています。6月中旬、町政施行65周年の一環として本町初の「ものづくりフェア2013~つくりびとのカタチ」を開催しました。町内には、陶芸、木工家具、藍染め、弓、刃物などの優れた工芸家がいます。彼らと九州各地の選りすぐった工芸家と協働することで、魅力あるイベントとして発信することができました。ただ、PR不足の点もあり、課題を残しましたが、食の分野と連携した取り組みもでき、商工業活性化の一助になったのではないかと考えています。
 
わが町は、「南の三股、北の高鍋」といわれるほど、昔から教育に熱心な町で、幾多の人材を輩出しています。本町では「米の倉より頭の倉」との信念から、経済困難の中でも子どもを上級学校に進学させたと聞いています。そのようなことから「文教の町」といわれますが、今では教育とともに町文化会館を中心とした文化活動に目覚しいものがあります。5月下旬、みまた演劇フェスティバル「まちドラ」が、昨年に引き続き三股駅周辺の館や広場を舞台に開催され、斬新な取り組みとして注目を集めました。「戯曲講座」の受講生が台本を書き、「演劇ワークショップ・みまた座」の団員や公募の町民が演じる舞台は、新鮮で楽しいものでした。次回も期待しています。
 
町民が主役といえば、「第6回みまた町民総合スポーツ祭」です。14種目、約1500人が参加し1ヵ月にわたって熱戦が繰り広げられました。特に、最終日の自治公民館対抗のソフトボール大会は、23チームが参加し、40歳以上が中心のチーム編成ながら、若者と変わらない力強さ、素早い動きに感心、感動いたしました。熟年の力、健康の力を再認識した1日となりました。まだまだ猛暑が続きますが、健康を維持しながら厳しい夏を乗り切りましょう。

平成25年8月1日
三股町長 木佐貫辰生

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