11月(霜月)~1年は短し

猛暑続きの夏が終わり、秋を感じ始めたと思っていたら、いつの間にか11月。1年は短し、歳月人を待たずとはこのことでしょうか。今年は、9月以降の台風襲来や豪雨、竜巻などの災害が目立ちました。台風銀座といわれた宮崎県への直撃はなく、都城管内での災害もほとんど見られませんでしたが、全国的には、台風18号での京都桂川の氾濫による嵐山地区被害、台風26号では伊豆大島の大規模な土砂災害で、多くの死者、行方不明者が発生しました。また、大気不安定による大雨や突風、竜巻等で住宅損壊や死傷者が生じています。災害は忘れたころにやってくるとは昔の話であり、「常在危機」との覚悟で備えておく必要があります。そして、町民の「安全・安心」を担う者として、最近の災害から、教訓とすべき心構えや課題が多く見られました。
 
先日の新聞に、大手企業の9月中間が好調であるとの記事がありました。アベノミクス効果の現れか、地方でも景気が幾分明るくなったとの雰囲気は漂いますが、実感としては届いていません。24年度末の大型補正で、わが町の公共事業は確実に増えてはいますが、単発で終わるようだと先行きが不安です。国同様に地方も、安全な道路や下水道などのインフラ整備、環境や福祉、医療などの整備、防災・減災への備え、少子高齢化対策などやるべき仕事は多くあります。一時、公共事業への批判がありましたが、災害の多さや通学路での交通事故等を見ると、「安全・安心」のため、真に必要な事業の予算は確保すべきであり、特に、車社会の中では、通学路や歩道を着実に整備していくことが重要な課題の一つではないだろうかと考えます。
 
秋の収穫祭「ふるさとまつり」が23回目を迎え、後半の一部が雨天でしたが、9・10日の2日間盛会裏に終始しました。ふるさとまつりは、平成3年にスタートし、「手作り、町民参加、そして町民が主役」をコンセプトに掲げ、毎年11月に開催しています。今回も、町文化会館周辺を会場に元気の杜広場と武道館で開催しました。第1回は、町役場駐車場をメイン会場に南側道路を出店スペースとし、隣の小公園を交流広場、そして中央公民館と勤労者体育館を文化祭会場として開催し、今よりコンパクトなイベントではありましたが、当時も多くの人出で賑わいました。職員として関わり、当初から参加し、見てきた者として、当時を懐かしく思い出すとともに、継続し発展を支えてきた実行委員をはじめとする皆さんに感謝申し上げます。以来、場所を変え、町民総参加型をテーマに試行錯誤しながら内容を吟味・充実させ、今の祭りへと成長してきました。いろいろなイベントがある中でこの祭りは、人々の交流が特に盛んであることから、まだまだ発展途上にはありますが、町の一体感の醸成に大きく貢献していると感じています。
 
本町は、都城市の市街地に近いという土地柄と生活の利便性から人口が微増しています。本町の人口構成の中で、全体に占める年少人口(0歳から14歳)の割合に大きな増減がありません。ということは、少子高齢化は進行している一方、子育て世代や若い世代の転入、定着が見られ、このことが年少人口割合の維持の一因であろうかと予測します。また、以前から、町政の重要施策として「子育て支援の充実」を図っていることが奏功しているのではないでしょうか。子どもの数は、地域的に偏在しているものの、教育支援の充実や過疎定住対策などの施策でカバーしています。地域の活性化は、子どもに係る施策と密接な関係があることから、子供を増やす施策は、地域活性化策と考えられます。このようなことから、地域と行政が連携しながら、子育てしやすい環境整備に意を尽くすことで、地域の活性化に貢献したいと考えます。
 
1年は短し、残りは僅か。この僅かな時間を大事に有意義に過ごし、1年を締めくくりたいものです。それぞれの人生に幸多からんことを願って筆を置きます。

平成25年11月12日
三股町長 木佐貫辰生

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