祭り・イベントとまちづくり

町が主催し、町外に発信する祭り、イベントは、春の「花まつり・早馬まつり」と秋の収穫祭「ふるさとまつり」が本町の2大祭りで、歴史と伝統を築いてまいりました。祭りは、経済的側面や町への愛着の醸成とともに人々の交流を通して町の活性化に寄与しています。そして、今月から来月にかけて町内各地域で開催される夏の風物詩である六月灯や夏祭りは、祭りを通して老若男女が交流することから地域の繋がりの強化に役立っています。主催者は、企画・準備など苦労も多いですが、皆さんの笑顔を楽しみに頑張って頂きたいと思います。今年も各地域で工夫を凝らしたお祭りを期待しています。
 
このように祭り・イベントの効果は、物的・人的に多方面に及ぶことから、まちづくりの手段として活用することは重要なことだと考えます。しかし、本町では春祭りが終了し、各地区での夏祭りまでの5・6月は、祭り・イベントの空白期間でした。この期間の活用に取り組んだのが、今年3回目となった演劇フェスティバル「まちドラ2014」と2回目の「つくりびとのカタチ~ものづくりフェア2014」です。
 
本町は、古くから文教の町と言われていますが、郷土芸能以外に文化面での町外発信がいま一つでした。5月下旬、今年で3回目となる「まちドラ2014」が、3日間開催されました。文化会館及び駅舎ホール、旧弓道場、旧商工会館や町体育館周辺木陰の路上をステージとし、プロチームと町民チームが戯曲講座の作品を上演しました。「カクドラ!(戯曲作り)、ヨムドラ!(読むドラマ)、ミルドラ!(観るドラマ)」の構成は、三股オリジナルで、一見の価値があります。そして、演目ごとに会場が移動することから、来場者が交流する機会となり、町に躍動感を与えてくれます。ぜひ、町民の皆さんに足を運んで頂くとともに町外へ発信して欲しいイベントです。
 
6月中旬、「ものづくりフェア2014」が、2日間にわたって開催されました。ケーブルテレビの「みまたうた合戦」や定住自立圏の「SHIMAZU(シマヅ)グルメコンテスト」、手作り雑貨の「しゅしゅぽぽマーケット」も同時開催で盛況でした。昨年の初回は、PR不足でしたが、今回は町外からの来訪者も多く賑わいました。本町には、陶芸、木工家具・藍染め、弓、刃物などの工芸家がおり、「工芸祭り」の開催要望が以前からありました。昨年に引き続き九州管内の工芸家の協力を得て、盛大に開催できたことは、要望の実現とともに町の自信・発信となり、町の活性化に大いに貢献したものと感謝いたします。
 
祭り・イベントの開催は、多くの時間と、苦労、労力を伴うものですから頻繁に実施することはできません。今ある祭りの内容の精査とともに、新しい祭り・イベントの意義をしっかりと確認することが重要です。また、祭り・イベントは継続してこそ、進化し、発展するものです。一過性ではなく、継続するためには、協働するスタッフの養成は必要不可欠です。NPO、ボランティア、有償ボランティアなどスタッフの参加、人材育成などが今後の課題です。「まちの活性化は人の交流から」といいますから、祭り・イベントをまちづくりの方策として、今後も積極的に取り組んでいきたいと考えています。
 
ところで、台風8号が九州を襲来しそうです。「備え」をお願いします。梅雨明け前のこの時季は、集中豪雨や竜巻など梅雨前線の活動の活発化や天候不順で災害の多い時期であります。1昨年7月の九州北部豪雨は、記録的な集中豪雨で河川の氾濫や土砂災害などで甚大な被害をもたらしました。また、昨年の伊豆大島を襲った台風26号では、役所の危機管理のあり方に多くの教訓を残しました。町民の安全・安心は行政の最重要テーマとして、今後も「常在危機」の覚悟で防災・減災対策、災害弱者対策に取り組んでまいります。

平成26年7月8日
三股町長 木佐貫辰生

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