1年の終わりに

今年は、「人口減少時代を迎えた地方戦略」を議論した年であり、本町の45年後の目標人口を設定し、そのための方策を戦略としてまとめました。1月に地方創生推進本部を立ち上げ、具体的検討機関として「ひとづくり部会」と「しごとづくり部会」を設けました。そして、民間委員からなる「推進会議」での提言や多様な意見を踏まえ、課長級で構成する「推進本部」で方針を決定させていただきました。この結果、10月末に、「三股町人口ビジョン」と「三股町まち・ひと・しごと総合戦略」を策定することができました。しかし、戦略の実現には、財源や法の壁、住民の理解など多くの課題があるところです。
 
「地方創生」とは目新しいテーマではなく、これまで各自治体で地道に取り組んでいる地域づくりそのものであります。今回の計画は、少子高齢化、人口減少社会の到来を前提として、どのように地域を維持発展させるか、具体的・総合的に検討する絶好の機会となりました。現在、人口微増である本町の特性を踏まえても、2060年(平成72年)には、約14%(3,500人)の人口減との予測が出ています(県は30%減)。人口減のもたらす影響は、経済、社会、福祉など、町のカタチに大きく影響します。まずは、短・中期対策として総合戦略に書き込んだプランの実現のため鋭意取り組みます。ご理解をお願いいたします。
 
11月9日、MRT番組「あるあるセブン」が放送されました。本町が取り上げられたのはこれで2回目で、4代目が誕生した駅前の中西畳店、中米集落のジャンカン馬厩舎の改築移転、6次産業化に取り組んでいるバイオ茶・バイオ茶ポーク・ゴマの収穫作業風景・ゴマのスイーツ、ご当地ヒーロー「ミマタレンジャー」、ご当地グルメの満月鍋、福重さんの帽子コレクションなどたくさんの「あるある」が放送されました。昨年8月の1回目放送では、ヤマメ、どぶろく、JA都城女性部の加工品、陶芸、我生庵などが紹介されました。放送で「三股のあるある」を再発見、再確認することになり、住民の自信とともに三股のファンも増えたのではないでしょうか。
 
11月14・15日は、秋の収穫祭「第25回ふるさとまつり」がふれあい中央広場で開催されました。この時季、天気の心配が絶えませんが、案の定、前日は雨天、初日は曇天で時々雨の空模様でした。2日目は快晴に恵まれ、保育園児から年配者まで幅広い層が出演する舞台、商工会や民主団体の出店、サブ会場の子ども広場、フリーマーケット、そして今年は、人間早馬競争の復活、子どものランニングバイク競争などもあり、大勢の来客で賑わいました。四半世紀に及ぶ手作りの祭りであり、その舞台を支えてきた実行委員の熱意・努力にあらためて感謝いたします。また、ボランティアの皆さん、本当にご苦労様でした。
 
11月18日は、恒例の町村長全国大会がNHKホールで開催されました。地方再生、活性化が大きなテーマです。この機会を利用し、本町の誘致企業である㈱白ハト食品が10月茨城県行方市に廃校を活用し開設したテーマパーク「ファーマーズビレッジなめがた」をJA都城の久保組合長とともに視察しました。施設は、東京から約2時間の遠方で、自然豊かな町であることから徹底的に農・お芋にこだわることをテーマとしています。お芋のミュージアムや見せる工場、市民農園、そして新鮮な野菜で主婦層や女性をターゲットにしたレストランなどが配置され、当日は、平日にもかかわらず多くの来客で賑わっていました。田舎でのユニークな取り組みは、都会人にとって魅力なのかも知れません。
 
本町は、自然が豊かで、人情味に溢れ、子育てに優しい町です。そして、都城インターにも近く、生活の利便性は高く、さらには伸びしろ豊かな企業、産業もあり成長・発展の可能性は充分にあります。大都市からは遠くとも、子育て、教育、福祉環境の充実を図り、一定の雇用の場が確保されれば、若者の流出防止に役立ちます。「日本のひなた宮崎県」の認知度を高め、田舎の良さや三股町を発信することで人口減少時代を乗り越えていきたいと考えます。三股へ「おじゃったもんせ(訳:いらっしゃい)」。待っています。

平成27年12月1日
三股町長 木佐貫辰生

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