みまたん春

春は別れとスタートの季節。役場では定年や希望で職員10人が退職し、新規採用で9人を迎えました。定年退職者のうち1名を再任用し、3人を短時間勤務で引き続き雇用しています。これに伴い、例年と同規模の人事異動を実施しました。現場や窓口を担う役場職員には、広い知識が求められることから異動は欠かせないものであり、与えられた仕事に精一杯取り組むことで知識や経験を積み重ね、公務員とし成長していくものです。異動をポジティブにとらえて欲しいと思います。また、新人諸君には、井の中の蛙となることなく、地方創生・三股町の担い手として大きく育って欲しいですね。
 
今年の桜の開花は例年になく遅く、小・中学校の入学式が満開となりました。新学年が、ソメイヨシノの淡いピンクのように清々しいスタートとなりました。ビュースポットは、桜の名所である上米公園はもちろんのこと、早馬神社、旭ヶ丘運動公園など町内にはたくさんありますが、自分好みの場所で静かに鑑賞し味わいたいものです。しかし、この時期は菜種梅雨のため桜をゆっくりと愛でる期間が短いのが残念です。そして、春の風情に欠かせない桜花が瞬く間に葉桜となり、移り行く時の早さを恨めしく感じます。
 
桜と同様、ツツジの開花も10日ほど遅く、本町が誇る椎八重公園4.6haのツツジの満開が、歴史と伝統ある「早馬まつり」と重なりました。近年、温暖化の影響で開花が早まっており、今年は珍しい年となりましたが、花と踊りを同時に楽しめる年として「みまたん春」のイベントを満喫していただけたでしょうか。早馬まつり恒例の「ジャンカン馬」は、4年ぶりに櫟田(くぬきだ)集落が当番となりました。集落民333人のうち100人を超える皆さんが「ジャンカン馬」の踊りや庭戻し(街中での踊り披露)に携わったとのことであり、集落上げての熱意ある取り組みに感謝と敬意を表します。
 
年度初めの4月は、自治公民館など民主団体の総会シーズンです。自治公民館の総会と懇親会は、町内各所の公園や館で花見を兼ねて開催され、年1回の地域全体の交流の場となっています。この催しのアトラクションに出演するため、支部(公民館の下部組織)では、夜に数回集まり踊りの練習を行うところがあります。このような交流を通じて、人間関係がより深く醸成されるものだと感じました。また、踊りなどの披露は、恒例として催すところ、リーダーの指導力によるところなど、動機は様々だと思いますが、地域を盛り上げるのは住民自らであることから、続けて欲しい取り組みです。
 
昨年度、観光事業の一環として設置した長田峡公園の河童像がマスコミで取り上げられ、ちょっとした話題となっています。渓谷美を誇る長田峡は、屏風のごとくそそり立つ数丈の岩や奇岩、そして水がよどむ淵からなり、町民の憩いの場、観光地となっています。この公園をもっと親しまれる場所としてスポットを当てるため、長田地域に伝わる河童伝説をモチーフに14体の河童像を町内の陶芸家4者に製作して頂きました。各陶芸家が河童を想像し趣向を凝らして製作した作品で、個性豊かな河童が長田峡の自然にマッチし、来客を楽しませてくれています。また、梶山地域の矢ヶ淵公園にも4体設置しました。「河童」が皆さんの来園をお待ちしています。
 
本町は、14歳以下の年少人口割合が、県内で一番高く“若い町”と言われていますが、高齢者の割合も高くなりつつあり、高齢者の生きがいづくり、交流の場の設定、日常の生活支援の在り方など取り組むべき課題は多岐にわたります。このような現実を踏まえ、町社会福祉協議会では、高齢者の居場所として「サロン」の設置を働きかけ、現在27ヶ所のサロンが各地域に立ち上がりました。サロンは、月2回の開催が主ですが、息の長い活動として定着させるため、ボランティアである主催者の負担軽減が課題であることから、社協と役場が連携して、しっかりとサポートしていきます。今後とも、ご協力を宜しくお願いします。
 
熊本地震から1年、東日本大地震から7年が過ぎました。避難され、未だ帰還できていない被災者が多くいます。一日も早い復旧・復興をお祈りします。

 平成29年5月2日
 三股町長 木佐貫辰生

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