「はたちの成人式」式辞

新年、あけましておめでとうございます。皆さまにおかれましては、令和5年の新春を健やかにお迎えのこととお喜び申し上げます。そして、本日の「はたちの成人式」に参加された若さあふれる皆さん、成人おめでとうございます。心よりお喜びを申し上げます。なお、本日の「はたちの成人式」を開催するにあたって、ご尽力いただいた実行委員の皆さんには心から敬意を表するとともに、年初めのご多用のところ、ご出席賜りましたご来賓の皆さまには、深く感謝申し上げます。

 

さて、成年年齢は明治時代から今日までの約140年間、20歳と民法で定められていましたが、近年、公職選挙法の選挙権年齢が18歳と定められたこと、また、世界的にも18歳が、成年年齢として主流であることから、民法改正により昨年の4月1日に、成年年齢が18歳に引き下げられたところです。このことにより、これまで20歳を成人として開催してきた成人式の取り扱いについて検討を重ねた結果、名称を「はたちの成人式」と変更して、これまでどおり、1月5日に開催することとしたところです。

 

昨年を振り返ってみますと、令和2年から続く新型コロナウイルスの影響はまだ世界を席巻していて、地球規模での対策を要しました。国内でも、第1波から第7波までに約2,500万人が感染、約5万人が亡くなっています。100年に一度の災厄といわれていますが、文明の発達した今日においてコロナの影響がこれほど長期に、そして社会全体に深刻な事態をもたらすとは誰もが想像しえなかったことと思います。皆さんも、職場あるいは学業で厳しい現実に直面したのではないかと考えます。


また、気候変動に伴う自然災害が頻発し、甚大化しています。昨年9月の大型台風14号は県内を縦断し、本町にも甚大な被害をもたらしました。本町では、梶山の土砂災害でお一人の方がお亡くなりになり、道路、河川、農業用施設、公園、山林などに多数の爪痕を残しました。県内では、床下、床上浸水が多く見られたところです。地球温暖化がもたらす気候変動は、台風やハリケーンの大型化をはじめ、海面の上昇、干ばつ、生態系の変化など、世界的な対応が求められています。

 

このように感染症や地球温暖化のほか、紛争や人権問題、食糧難など地球規模の重要な課題が山積していますが、私たちは、まずできることから、身近なことから社会に貢献していくことが大事だと考えます。本町も、感染症対策としてワクチン接種に全力で取り組んでいるところです。また、2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロとする「ゼロカーボンシティ三股」を宣言し、地域の視点で温暖化防止に積極的に取り組んでいこうと考えています。これからの時代を担う皆さんには、ぜひグローバルな視点を持ちながら、社会のあらゆる問題に関心を持って行動してほしいと思います。

 

今、皆さんは青春時代のど真ん中にいます。青春時代は、希望に満ちた時代ではありますが、悩み多き時代でもあります。時には道に迷うこともあるかもしれません。そのようなときには、人生100年時代の1時期と捉えて、急がず、焦らず、鷹揚に構えることが大事だと思います。徳川幕府を開いた徳川家康公の言葉に「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し、急ぐべからず」というものがあります。人生は長く、苦しいことも多いので辛抱強く努力を重ねるべきだということです。

 

また、わが町の特産品であるバイオ茶・水出し茶の生みの親、宮崎上水園の社長上水漸さんの著作の表題は「急がす、休まず、怠らず」です。この言葉は、人生では、仕事や家庭だけでなく、あらゆることにおいて「焦らず、地道に、謙虚に、粘り強く続けること」が大切だと教えてくれています。

 

二十歳の皆さん、それぞれの夢の実現、目標に向かって、失敗を恐れず、前に向かって進んでください。そのためには、この「はたちの成人式」を、人生における一つの大きな節目として、心新たに「急がず、休まず、怠らず」の精神で、これからの人生に臨まれることを期待します。結びに、新成人の未来に栄光あらんことを祈念し、式辞といたします。

 

令和5年1月5日
三股町長 木佐貫 辰生

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